友達と2人でのルームシェアは、家賃や生活費の負担を軽減できるだけでなく、気の置けない仲間と楽しく暮らせるという大きな魅力があります。しかし、理想的な共同生活を実現するためには、その第一歩である「物件探し」が極めて重要です。一般的な一人暮らしや二人暮らし(カップル・夫婦)の物件探しとは異なり、友達同士のルームシェアには特有の注意点や確認すべきポイントが存在します。どのような物件が2人のルームシェアに適しているのか、どうすればスムーズに契約まで進められるのか、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、友達2人でルームシェアを成功させるための「物件」に焦点を当て、物件探しの基礎知識から、内見時に重視すべき具体的なチェックポイント、さらには契約に関する留意点まで、幅広く情報を整理して解説していきます。お互いが快適に、そしてトラブルなく共同生活を送るための最適な住まいを見つけるための一助となれば幸いです。
友達と2人でルームシェア!最適な物件を見つけるための基礎知識
友達2人でルームシェアを始めるにあたり、まずは「どのような物件を探すべきか」「何を準備すべきか」という基礎知識をしっかりと押さえておく必要があります。希望条件だけで突っ走ってしまうと、審査に通らなかったり、入居後に「こんなはずではなかった」という事態に陥りかねません。ここでは、ルームシェア物件特有の事情や、探し始める前に2人の間ですり合わせておくべき重要なルールについて詳しく見ていきましょう。
ルームシェア可物件とは?
そもそも「ルームシェア可」物件とは、文字通り、賃貸物件のオーナー(大家)や管理会社が「友人同士など、親族関係にない複数人での入居」を承諾している物件を指します。賃貸物件の多くは、単身者もしくはファミリー(親族)での入居を前提としています。そのため、友達同士で住みたい場合は、必ずこの「ルームシェア可」または「相談可」となっている物件を選ぶ必要があります。
オーナー側がルームシェアを敬遠する理由としては、生活時間帯の違いによる騒音トラブルのリスク、家賃滞納時の連帯責任の曖昧さ、退去時の原状回復に関するトラブル、入居者の入れ替わりによる管理の煩雑さなどが挙げられます。「可」としている物件は、これらのリスクを理解した上で、一定のルール(例:契約者を明確にする、全員の身分証明書や収入証明を提出する等)のもとで入居を許可しているのです。
2人入居可とルームシェア可の違い
物件情報サイトなどでよく見かける「2人入居可」という表記は、非常に注意が必要です。この「2人」が指すのは、多くの場合「夫婦やカップル、親子、兄弟姉妹」といった、生計を共にする親族やそれに準ずる関係性を想定しています。つまり、友達同士のルームシェアは、この「2人入居可」の範疇に含まれていないケースがほとんどです。
「2人入居可」の物件に「友達と住みたい」と申し込んでも、審査の段階で断られてしまう可能性が非常に高いのです。時間の無駄を避けるためにも、物件を探す際は「2人入居可」ではなく、明確に「ルームシェア可」あるいは「ルームシェア相談可」という条件で絞り込むことが必須となります。不動産会社に問い合わせる際も、最初から「友達2人でのルームシェア」であることを明確に伝えましょう。
必要な間取りと広さの目安
友達2人で快適にルームシェアを送るためには、間取り選びが成功の鍵を握ります。最も重要なのは「お互いのプライバシーを確保できること」です。その観点から、ワンルームや1K、1DKといった間取りは基本的に不向きと言えます。
最低限、各自の個室が確保できる「2K」や「2DK」が選択肢となります。それぞれの部屋の独立性が高ければ、生活リズムが多少異なってもストレスを感じにくいでしょう。さらに快適さを求めるならば、共有のリビングスペースが確保できる「2LDK」が理想的です。食事やくつろぎの時間を共有スペースで過ごし、プライベートな時間は各自の個室で過ごすというメリハリがつけやすくなります。
広さの目安としては、個室がそれぞれ最低でも4.5畳~6畳程度確保できるか、また、収納スペース(クローゼットなど)が各部屋に備わっているかどうかも重要です。
物件探しの前に決めておくべきルール
魅力的な物件が見つかってから慌てないよう、物件探しと並行して、あるいはそれ以前に、2人の間で共同生活の基本ルールを明確に決めておくことが不可欠です。これが曖昧なままでは、最適な物件を選ぶ基準も定まりません。
最低限決めておくべき項目としては、「家賃の分担方法」が挙げられます。例えば、部屋の広さや日当たりに差がある場合、家賃に傾斜をつけるのか、あるいは完全に折半するのか。また、家賃以外にかかる「光熱費、水道代、インターネット代、日用品(トイレットペーパーや洗剤など)の購入費」といった共益費をどのように集め、精算するのかも決めておく必要があります。
さらに、「共有スペース(リビング、キッチン、風呂、トイレ)の使い方」や「掃除の分担」、「友人を宿泊させる際のルール」、「生活時間帯(就寝時間、起床時間)の共有」なども話し合っておきましょう。これらのルールが明確であればあるほど、お互いの希望条件に合った物件(例:キッチンが広い、個室の独立性が高い)を選びやすくなります。
実践!友達2人のルームシェア物件探しで重視すべきチェックポイント
「ルームシェア可」の物件が見つかったら、次は内見です。内見は、図面や写真だけでは分からない物件の「リアル」を確認する重要な機会です。特に友達2人でのルームシェアでは、一人暮らしとは異なる視点でチェックすべきポイントが数多く存在します。お互いがストレスなく快適に暮らすために、以下の点を重点的に確認しましょう。
立地条件と周辺環境の確認
まず確認したいのが立地です。お互いの「通勤・通学先へのアクセス」は必ず確認しましょう。片方にとっては非常に便利でも、もう片方にとっては著しく不便、ということになると不満の原因になります。2人にとって許容範囲の所要時間か、乗り換えの手間はどうか、終電の時間は何時か、といった点を具体的にシミュレーションすることが重要です。
また、「生活の利便性」も2人分必要になります。夜遅くまで営業しているスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが近くにあるか。仕事帰りや買い出しの際に便利です。治安の良し悪しも確認しましょう。夜道が暗すぎないか、人通りはあるか、可能であれば昼と夜の両方の雰囲気を見ておくと安心です。駅からの距離が少しある場合は、駐輪場に2人分のスペースが確保できるかも確認が必要です。
設備面の重要チェック項目
共同生活では、設備の使い勝手が日々の快適さを大きく左右します。「水回り」は特に重要です。キッチンは2人分の食材を置くスペースや調理スペースが十分にあるか、コンロの口数は(最低2口は欲しいところです)、冷蔵庫を置くスペースは確保されているかを確認します。
「風呂・トイレ・洗面所」もチェックポイントです。朝の準備時間が重なることを見越して、洗面台が独立している(独立洗面台)物件は非常に人気があります。トイレと風呂が別々(バス・トイレ別)であることは、ルームシェアではほぼ必須条件と言えるでしょう。
「収納スペース」も重要です。各部屋にクローゼットや押入れが備わっているか、その広さは十分か。玄関のシューズボックスも2人分の靴が収まるか確認しましょう。
そして、見落としがちなのが「防音性」です。お互いの個室間の壁が薄いと、電話の声や音楽、アラームの音などが筒抜けになり、大きなストレスとなります。内見時に壁を軽く叩いてみたり、可能であれば2人で別々の部屋に入って声がどの程度聞こえるか試してみるのも良いでしょう。もちろん、上下階や隣室への音の響き(建物の構造、RC造か木造かなど)も確認が必要です。
契約形態と初期費用の内訳
物件が気に入ったら、最後は契約です。ルームシェアの契約形態には、主に「代表者契約」と「連名契約」の2種類があります。
「代表者契約」は、2人のうち1人が代表して契約者となり、もう1人は「同居人」として届け出る形です。手続きは比較的シンプルですが、家賃滞納などの責任は代表者が一手に負うことになります。「連名契約」は、2人それぞれが契約者となり、お互いが連帯保証人になるか、それぞれが保証人を立てる形です。2人ともに同等の責任が発生しますが、どちらかが途中で退去する際の手続きが複雑になる場合があります。どちらの契約形態になるのか、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、不動産会社に確認しましょう。
また、「初期費用(敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・火災保険料・鍵交換費用など)」の総額と、その「分担方法」も明確にします。入居前にまとめて支払う必要があるため、2人できちんと準備しておく必要があります。特に火災保険は、単身用プランではルームシェアに対応できない場合があるため、どのようなプランに加入すべきか確認が必要です。
友達2人のルームシェア物件探しを成功させるための総まとめ
友達2人でルームシェア物件を探す際の重要点
今回は友達と2人でルームシェアをするための物件探しについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・友達同士の入居は「ルームシェア可」物件が必須
・「2人入居可」は親族やカップル想定が多いため要注意
・オーナーは騒音や家賃滞納リスクを懸念する
・物件探し前に家賃分担や生活ルールを決めておく
・家賃以外の光熱費や共益費の精算方法も明確に
・プライバシー確保のため2Kや2LDKなど個室が持てる間取りを選ぶ
・収納スペースが各人に十分割り当てられるか確認
・お互いの通勤通学に不便がない立地を選ぶ
・スーパーやコンビニなど周辺の生活利便性も重要
・朝の混雑回避のため独立洗面台やバス・トイレ別は重要
・キッチンの広さやコンロ口数など水回り設備を確認
・個室間や隣室との防音性を内見でチェック
・契約形態が「代表者契約」か「連名契約」か確認
・初期費用の総額と2人での分担方法を決めておく
・火災保険がルームシェアに対応しているか確認
友達とのルームシェアは、適切な物件選びと事前のルール決めが成功の鍵となります。本記事で紹介したポイントを参考に、お二人にとって最適な物件を見つけてください。素晴らしいルームシェア生活がスタートできることを願っています。

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