50代を迎えると、髪のハリやコシの低下、白髪の増加、顔の輪郭の変化など、さまざまなエイジングサインが気になり始めるものです。ロングヘアを維持している方の中には、「髪をまとめると、なんだか生活感が出てしまって老けて見える」「昔と同じ結び方をしているのに、なぜかおばさんぽくなってしまう」といった悩みを抱えているケースも少なくありません。
しかし、ポイントさえ押さえれば、50代のロングヘアは上品さと色気を兼ね備えた素晴らしいスタイルになります。ただ結ぶだけではなく、計算された「崩し」や「質感」を取り入れることで、若々しく洗練された印象を与えることが可能です。
本記事では、おばさんぽく見えないための重要なテクニックや、50代のロングヘアを美しく魅せる具体的なアレンジ方法を徹底的に解説します。年齢による髪質の変化をカバーしながら、大人の女性ならではの美しさを引き出すためのノウハウを詳しく見ていきましょう。
おばさんぽくない髪型を目指す50代ロングのまとめ髪の基本
50代の女性がロングヘアをまとめる際、最も避けなければならないのが「ひっつめ髪」と「パサつき」です。顔周りの髪をきっちりと後ろに撫でつけすぎたり、艶のない髪をそのまま結んだりすることは、顔のたるみやシワを目立たせ、疲れた印象を与えてしまう最大の要因となります。
おばさんぽくない髪型を作るためには、シルエットのバランスと髪の質感が命です。ここでは、50代が意識すべきまとめ髪の基本ルールを4つの視点から深掘りします。
トップのボリューム出しで若見え効果を狙う
加齢とともに頭頂部の髪が細くなり、ペタンとしてしまうことは多くの50代が直面する課題です。トップにボリュームがない状態で髪をまとめると、頭の形がそのまま露呈し、貧相な印象を与えかねません。おばさんぽさを払拭するためには、トップの高さを出すことが不可欠です。
髪を結ぶ前に、あらかじめトップの根元をアイロンやカーラーで立ち上げておくか、結んだ後に指でつまんで引き出す工程が重要になります。目安としては、正面から見たときにトップがふんわりと持ち上がっている状態を作ることです。これにより、視線が上に誘導され、顔のリフトアップ効果も期待できます。引き出す際は、数本の毛束を細かくつまみ、少しずつ高さを調整することで、ボサボサにならずに洗練された立体感が生まれます。
後れ毛の「量」と「巻き」でニュアンスを作る
かつては「だらしない」と敬遠されがちだった後れ毛ですが、現代のスタイリングにおいては、こなれ感を演出するための最重要パーツです。しかし、50代にとっての後れ毛は諸刃の剣でもあります。量が多すぎると「疲れ」に見え、直線のままだと「生活感」が強調されてしまいます。
おばさんぽくない髪型にするための正解は、こめかみ、もみあげ、襟足の3点から、ごく少量の毛束を引き出すことです。そして、引き出した後れ毛には必ずヘアアイロンでカールをつけることが鉄則です。緩やかなS字カールを描くことで、顔周りに柔らかい影が落ち、フェイスラインをあいまいに見せる効果があります。パサついた直線の後れ毛は老け見えの元凶ですが、艶のあるカールした後れ毛は大人の色気へと昇華されます。
スタイリング剤を使ってツヤと束感を仕込む
50代の髪は水分量が減少し、乾燥しやすくなっています。そのままの状態でまとめ髪をすると、表面に短い毛が浮き出る「アホ毛」が目立ち、一気に所帯じみた印象になってしまいます。これを防ぐためには、スタイリング剤の使用が必須です。
おすすめは、ヘアオイルとヘアワックスを混ぜて使用する方法です。オイルでツヤを与え、ワックスでホールド力をプラスします。髪をまとめる前の全体になじませるだけでなく、結んだ後の毛先や、引き出した後れ毛にも丁寧に塗布します。ウェットな質感になりすぎないよう注意しつつ、髪一本一本がまとまって輝くような「濡れツヤ感」を意識することで、肌のトーンアップ効果も得られ、若々しく健康的で、決しておばさんぽくない仕上がりになります。
結ぶ位置で印象をコントロールする
「ポニーテールは若作り」というイメージを持つ方もいますが、実は結ぶ位置（高さ）によって印象は劇的に変化します。50代にとってのゴールデンゾーンは「耳の高さから盆の窪（ぼんのくぼ・首の後ろのくぼみ）」の間です。
高すぎる位置で結ぶと若作り感が否めず、逆に低すぎる位置できつく結ぶと老け込んで見えがちです。耳の高さの延長線上であれば、顎のラインがきれいに見え、横顔のシルエットが美しく整います。また、下の位置で結ぶ場合も、きっちりしすぎず、サイドの髪を耳に少しかぶせるようにしてたゆませることで、リラックス感のあるエレガントな雰囲気を醸し出せます。自分に似合う「高さ」を見極めることが、脱・おばさんヘアの第一歩です。
おばさんぽくない髪型を実現する50代ロングにおすすめのまとめ髪スタイル
基本を押さえたところで、次は具体的なアレンジスタイルについて解説します。複雑な編み込みやプロのような技術がなくても、ちょっとした工夫で50代のロングヘアは見違えるほど素敵になります。
ここでは、忙しい朝でも実践しやすく、かつフォーマルな場や友人とのランチにも対応できる「おばさんぽくない」スタイルを3つ厳選して紹介します。
結び目を隠して洗練させるローポニーテール
シンプルに一つに結ぶローポニーテールは、最も手軽でありながら、最も「おばさん化」しやすい危険なスタイルでもあります。これを洗練されたスタイルに変える最大の秘訣は、「ゴムを隠すこと」です。
髪を低い位置で一つに結んだ後、毛束の下から少量の髪を取り、ゴムの上に巻き付けます。巻き終わりをピンで見えないように留めるか、ゴムに入れ込みます。たったこれだけの工程で、まるで美容室でセットしたかのようなきちんとした印象が生まれます。さらに、頭頂部とサイドの髪を引き出して崩し、毛先を大きめのコテでワンカールさせることで、華やかさが加わります。ゴムが見えているとどうしても「家事の途中」感が出てしまうため、ヘアアクセを使わない場合は必ずゴム隠しを行いましょう。
華やかさと上品さを両立するハーフアップ
ハーフアップは、髪の長さを活かしつつ、顔周りをすっきりさせることができるため、50代に特におすすめのスタイルです。フルアップにするには抵抗がある方や、フェイスラインを出し切るのが不安な方にも最適です。
おばさんぽくないハーフアップのコツは、「くるりんぱ」を取り入れることです。耳上の髪を後ろで緩く結び、真ん中を割って毛先を通す「くるりんぱ」をすることで、後頭部に自然なボリュームとねじりの動きが生まれます。ここで重要なのが、トップの髪をしっかりと引き出すことです。ハーフアップはトップが平らになりやすいため、意識的に高さを出すことで、エレガントなひし形シルエットが完成します。下ろしている髪の毛先には外ハネや内巻きをミックスさせ、動きをつけるとより若々しい印象になります。
ルーズさが鍵となる大人のシニヨンアレンジ
和装やパーティシーンだけでなく、普段使いとしても人気のあるシニヨン（お団子ヘア）ですが、位置と崩し方がおばさんぽくない髪型のカギを握ります。高い位置のお団子は避け、低い位置でゆるくまとめるのが鉄則です。
まず、髪を後ろで一つに結び、最後は毛先を抜ききらずに輪っかの状態にします。残った毛先をゴムの周りに巻き付け、ピンで固定します。この時、きっちりと丸めるのではなく、あえてラフに巻き付けるのがポイントです。完成した後、お団子部分を指で広げるように崩し、ボリュームを出します。きっちりとしたお団子は厳格すぎる印象を与えますが、空気を含んだようなふんわりとしたシニヨンは、50代の女性に柔らかさと余裕を感じさせます。仕上げにバレッタやマジェステなどのヘアアクセサリーを添えれば、視線が集まり、後ろ姿まで美しいスタイルになります。
おばさんぽくない髪型で輝く50代ロングのまとめ髪総括
50代ロングのおばさんぽくない髪型とまとめ髪のポイント
今回はおばさんぽくない髪型を目指す50代ロングのまとめ髪についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・ひっつめ髪は老け見えの原因となるため避けるべきである
・トップの髪を引き出して高さを出し若々しいシルエットを作る
・後れ毛はこめかみやもみあげから少量のみ引き出すのが正解だ
・引き出した後れ毛には必ずアイロンでカールをつける必要がある
・スタイリング剤でツヤと束感を出しパサつきを抑えることが重要だ
・結ぶ高さは耳の高さから盆の窪の間がゴールデンゾーンである
・ローポニーテールではゴムを髪で隠して生活感を消すことが大切だ
・ハーフアップはくるりんぱを活用して後頭部に立体感を出す
・シニヨンは低い位置で作りあえてルーズに崩して余裕を演出する
・ヘアオイルとワックスを混ぜて使いウェットな質感を仕込む
・サイドの髪を耳にかぶせてたゆませるとエレガントさが増す
・顔周りの髪を真っ直ぐに下ろさず動きをつけて輪郭をカバーする
・きっちりしすぎないラフさが大人の色気と洗練を生む鍵となる
50代のロングヘアは、手入れとスタイリング次第でいくらでも美しく輝かせることができます。「もう歳だから」と諦めるのではなく、今の自分に似合うバランスを見つけることが大切です。ぜひ明日から、今回ご紹介したポイントを一つでも取り入れて、鏡を見るのが楽しくなるようなヘアアレンジを楽しんでください。
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