50代の直腸がんは進行が速い?年齢だけでは判断できない理由と取るべき行動

結論からいうと、50代という年齢だけで、直腸がんの進行速度が速い・遅いと一律に判断することはできません。

直腸がんの進行度は、がんが大腸の壁にどこまで広がっているか、リンパ節や離れた臓器への転移があるかなどを検査して判断します。年齢だけで個人の状態を推測するのではなく、症状の有無や診断状況に応じて行動することが重要です。

この記事では、「進行速度」と混同しやすい言葉を整理したうえで、次の3つの状況に分けて確認すべきことを紹介します。

  • 血便・腹痛・便通の変化などの症状がある人
  • 症状がない40歳以上の人
  • すでに診断を受けている、または治療中の人

50代というだけで進行速度は判断できない

大腸がんにかかる人は40歳代から増えるとされています。そのため、50代は大腸がん検診の対象となる年代です。

ただし、ある年代で大腸がんにかかる人が増えることと、診断されたがんがどのくらいの速さで進むかは別の話です。「50代だから進行が速い」「若い人より遅い」と年齢だけで決めることはできません。

実際の進行度は、検査によって確認されます。年齢や症状だけから、がんの広がりや今後の変化を自己判断しないことが大切です。

「進行速度」と混同しやすい4つのこと

直腸がんについて調べると、異なる意味の情報が「進行」という言葉でまとめられている場合があります。誤解を避けるため、次の4つは分けて考えましょう。

発症リスク

発症リスクとは、大腸がんにかかる可能性と関係する要因のことです。喫煙、飲酒、肥満などは大腸がんの発症リスクと関係します。また、女性では赤肉や加工肉によってリスクが高くなる可能性があるとされています。

これは、すでにある直腸がんの増殖や転移が速くなるという意味ではありません。生活習慣に関する情報から、診断後の進行速度を判断することはできません。

腺腫などからのがん化

大腸がんには、腺腫という良性の腫瘍ががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。

これはがんが発生する経路の説明です。腺腫からがん化するまでの過程と、診断されたがんがその後どのくらいの速さで進むかは分けて考える必要があります。

ステージ

ステージは、がんが現在どこまで広がっているかを示すものです。大腸の壁への深達度、リンパ節転移、遠隔転移を組み合わせて判断されます。

ステージは時間あたりの進行速度を示すものではなく、症状だけで判断することもできません。

浸潤・転移

大腸がんは、大腸の壁の内側にある粘膜に発生し、進行すると壁の深い部分へ入り込んだり、周囲の臓器やリンパ節、離れた臓器へ広がったりすることがあります。

ただし、特定の深さに達した時点から一律に進行が加速すると決めることはできません。広がりは検査で確認する必要があります。

血便・腹痛・便通変化などの症状がある人

大腸がんは早期には症状がない場合があります。進行すると、血便、腹痛、便の性状や排便回数の変化などが現れることがありますが、症状だけで直腸がんかどうかや病期を判断することはできません。

血便は痔などでも起こる可能性があります。それでも「いつもの痔だろう」と自己判断せず、血便、腹痛、便の性状や排便回数の変化などがある場合は、次の検診を待たずに医療機関を受診してください。

症状がある人は、無症状者を対象とする検診ではなく、医療機関で診察を受けることが必要です。

症状がない40歳以上の人

国の大腸がん検診は、症状のない40歳以上の男女を対象に、1年に1回、問診と便潜血検査を行います。

便潜血検査で要精密検査となった場合は、精密検査を受けることが必要です。通常は大腸内視鏡検査が行われますが、実施が難しい場合には別の検査が選択されることがあります。便潜血検査をもう一度受けるだけでは、精密検査の代わりになりません。

大腸がん検診は、がんを早期に発見して適切な治療につなげ、大腸がんによる死亡を減らすことを目的としています。一方、1回の検診ですべてのがんが見つかるわけではありません。検診と検診の間に症状が出た場合は、次回を待たず医療機関を受診してください。

すでに診断を受けている・治療中の人

すでに直腸がんの診断を受けている人は、年齢や一般記事の情報から自分の進行速度を判断することはできません。

進行度は、がんが大腸の壁にどこまで入り込んでいるか、リンパ節や離れた臓器への転移があるかなどを検査して判断します。治療は、ステージ、がんの性質、体の状態などを踏まえて検討されます。

自分の病状、治療方針、治療後に検診を再開する時期などは、検査結果を把握している担当医に確認してください。

まとめ

50代という年齢だけで、直腸がんの進行速度が速い・遅いと一律に判断することはできません。大腸がんにかかる人が増える年代であることと、診断後の進行速度は分けて考える必要があります。

  • 血便・腹痛・便通変化などの症状がある人は、検診を待たず医療機関を受診する
  • 症状がない40歳以上の人は、年1回の大腸がん検診を受け、要精密検査となったら精密検査を受ける
  • 診断済み・治療中の人は、年齢や症状から自己判断せず、検査結果と今後の方針を担当医に確認する

「進行速度」という言葉だけにとらわれず、自分の状況に合った次の行動へつなげることが重要です。

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