長野県の北部に位置し、日本屈指のパワースポットとして知られる戸隠神社。霊山・戸隠山の麓に点在する奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の5社を巡ることは「五社巡り」と呼ばれ、多くの参拝客が訪れます。しかし、広大なエリアに神社が点在しているため、計画なしに訪れると予想以上に時間がかかってしまうことも少なくありません。移動手段やルートによって、必要な時間は大きく異なります。
本記事では、戸隠神社5社巡りを計画している方に向けて、所要時間の目安や効率的な回り方、注意すべきポイントを詳細に解説します。車、バス、徒歩それぞれのパターンを網羅していますので、旅行計画の参考にしてください。
戸隠神社5社巡りの所要時間は移動手段でどう変わる？
戸隠神社の5社は、一番手前の宝光社から一番奥の奥社まで、標高差もあり距離も離れています。そのため、どの移動手段を選択するかによって、全体の所要時間は劇的に変化します。ここでは、主要な移動手段ごとの平均的な所要時間を詳しく見ていきましょう。
車で巡る場合の目安時間
マイカーやレンタカーを利用して各神社の駐車場を移動しながら巡る方法は、最も体力的な負担が少なく、時間も短縮できる方法です。車を利用する場合、5社すべてを参拝するための所要時間は、およそ3時間から4時間を見ておくと良いでしょう。
車移動の最大のメリットは、社間の移動時間を大幅に短縮できる点です。宝光社から中社までは車で約5分、中社から奥社入口までは約5分から10分程度で移動可能です。ただし、ここで注意が必要なのは「奥社」と「九頭龍社」への参拝時間です。この2社は、駐車場から片道約2キロメートル、徒歩で約30分から40分の参道（随神門や杉並木を含む）を歩く必要があります。車で行けるのはあくまで「参道の入り口」までであり、そこからの徒歩時間はどの移動手段でも変わりません。
また、御朱印をいただく場合は、混雑状況によって待ち時間が発生します。特に紅葉シーズンやゴールデンウィークなどは、駐車場の空き待ち（特に中社や奥社周辺）が発生する可能性が高いため、プラス1時間の余裕を持つことが推奨されます。
バスと徒歩を組み合わせる場合の目安時間
長野駅から路線バス（アルピコ交通）を利用し、現地でもバスと徒歩を組み合わせて巡る場合、所要時間は5時間から6時間が目安となります。
バスは概ね1時間に1本程度（シーズンにより増便あり）の運行スケジュールであるため、バスの時刻表に合わせた行動が必須となります。効率よく回るためには、「奥社入口」までバスで一気に上がり、そこから下り方面へ向かって中社、火之御子社、宝光社と巡るルート（逆打ち）が、下り坂が多くなるため体力的には楽な場合があります。
一方で、正式な参拝順序とされる宝光社から順に登っていくルートをとる場合、バスの待ち時間や、バス停から神社までの徒歩移動を含めると、半日以上の時間を確保する必要があります。バスのフリーきっぷなどを活用し、時刻表を事前に綿密にチェックすることで、待ち時間を最小限に抑えることが可能です。
全行程を徒歩（神道）で巡る場合の目安時間
古来の参拝方法にならい、すべての神社間を徒歩で巡る「戸隠古道（神道・かんみち）」を歩くコースは、ハイキングやトレッキングの要素が強くなります。この場合の所要時間は、健脚な方でも6時間から7時間以上は必要です。
戸隠古道は整備されていますが、山道や未舗装の道、急な階段も多く含まれます。特に宝光社から中社へ抜ける道や、火之御子社周辺の道は自然豊かであり、森林浴を楽しめる一方で、確実な体力と装備（歩きやすい靴や服装）が求められます。
全徒歩の場合、単なる移動ではなく「巡礼」としての意味合いが強くなり、道中の石仏や自然景観を楽しむ時間も含まれます。途中で昼食休憩をとったり、休憩所で休んだりすることを考慮すると、朝一番にスタートして夕方に終わる「一日がかり」の行程となることを覚悟しておきましょう。
混雑時期やランチタイムを含めた余裕の持たせ方
5社巡りの所要時間を計算する際、意外と見落としがちなのが「ランチタイム」と「御朱印の待ち時間」です。特に中社周辺には戸隠そばの名店が集中しており、昼時には1時間以上の行列ができることも珍しくありません。
食事時間を考慮に入れる場合、全体の行程にプラス1.5時間を加算することをおすすめします。また、5社すべての御朱印を頂く場合、書き置き対応の時期や、直書き対応の時期によっても時間は変動しますが、各社で15分から30分の待ち時間が発生すると仮定すると、それだけで大きなタイムロスとなります。
特に大型連休中は、奥社参道の行列や駐車場の渋滞が激しくなるため、早朝（朝7時〜8時台）に行動を開始するなど、時間をずらす工夫が所要時間短縮の鍵となります。
戸隠神社5社巡りの所要時間を短縮するための各社特徴とルート
効率よく5社を巡るためには、それぞれの神社の地理的特徴と、参拝にかかる固有の時間を把握しておくことが重要です。ここでは、各スポットの詳細な所要時間の内訳と、ルート選びのポイントを解説します。
宝光社と火之御子社の距離感と参拝ポイント
5社巡りのスタート地点となることが多い宝光社（ほうこうしゃ）は、長い階段が特徴です。駐車場から社殿までは約270段の階段があり、参拝を含めて約30分から40分を見ておく必要があります。女坂という緩やかな坂道もありますが、距離が伸びるため時間はそれほど変わりません。
宝光社から火之御子社（ひのみこしゃ）へは、神道（古道）を通って徒歩約15分程度です。火之御子社は5社の中で唯一、社務所が常駐しておらず（御朱印は宝光社または中社で授与される場合が多い）、比較的こぢんまりとした神社です。そのため、参拝自体は10分から15分程度で済みます。
車移動の場合、火之御子社の駐車場は数台分と非常に狭いため、宝光社に車を置いて徒歩で往復するか、中社へ向かう途中で一時停車して参拝する形になりますが、混雑時は駐車できないリスクがあるため注意が必要です。
中社周辺の散策と駐車場の注意点
中社（ちゅうしゃ）は戸隠観光の中心地であり、周辺にお土産屋や蕎麦屋が多く立ち並んでいます。境内には樹齢700年を超える御神木や「さざれ滝」があり、見どころが多いため、参拝と境内散策だけで30分から50分は見ておくべきでしょう。
所要時間に大きく影響するのは駐車場探しです。中社周辺には無料駐車場と有料駐車場が点在していますが、無料駐車場はすぐに満車になります。駐車場を探してウロウロする時間を避けるため、混雑期は最初から有料駐車場を利用するか、少し離れた西参道入口の駐車場を利用する判断も必要です。
また、5社の御朱印をすべて集めると記念品（しおり等）がもらえる「五社巡り」の締めくくりを中社にする人も多いため、社務所が混み合う傾向にあります。
奥社・九頭龍社への杉並木参道にかかる往復時間
戸隠神社5社巡りのハイライトであり、最も時間を要するのが奥社（おくしゃ）と九頭龍社（くずりゅうしゃ）です。この2社は隣接していますが、参道入口の随神門から社殿までは、片道約2キロメートルの道のりがあります。
この参道は車両通行禁止であり、平坦な杉並木から始まり、後半は石段や登り坂が続く山道となります。往復の歩行時間だけで早歩きで約1時間、ゆっくり歩くと1時間30分は確実にかかります。さらに参拝や休憩を含めると、奥社・九頭龍社エリアだけで約2時間を割り当てる必要があります。
冬期は深い雪に閉ざされるため、装備がないと参拝は困難になり、所要時間は倍増します。雪のない季節であっても、スニーカーやトレッキングシューズでの歩行が推奨され、ヒールやサンダルでは歩行速度が落ち、所要時間が大幅に延びる原因となります。このエリアの攻略が、全体の所要時間管理の最重要ポイントと言えます。
戸隠神社5社巡り所要時間についてのまとめ
戸隠神社5社巡りの所要時間についてのまとめ
今回は戸隠神社5社巡りの所要時間についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・車で5社を巡る場合の所要時間は3時間から4時間が目安である
・バスと徒歩を組み合わせる場合は5時間から6時間程度を見込む必要がある
・全行程を徒歩で巡る神道コースは6時間から7時間以上のハイキングとなる
・奥社と九頭龍社は駐車場から徒歩で往復1時間以上かかるため時間がかかる
・宝光社は長い階段があるため参拝に30分から40分程度必要である
・火之御子社は規模が小さく参拝時間は短いが駐車スペースが限られている
・中社周辺は飲食店が多くランチや散策を含めると滞在時間が長くなる
・御朱印を頂く場合は混雑状況により1時間程度の予備時間が必要である
・ランチタイムを挟む場合は行程にプラス1.5時間を加算すると良い
・連休や紅葉シーズンは駐車場の空き待ちで所要時間が大幅に増える
・奥社参道は車両進入禁止であり徒歩移動が必須の区間である
・効率的なルート選びには逆打ち（奥社から下る）方法も有効である
・冬期は積雪により移動時間が通常より大幅にかかる点に注意する
戸隠神社5社巡りは、単なる観光以上の深い体験が得られる素晴らしい行程です。
ご自身の体力やスケジュールに合わせて最適な移動手段を選び、余裕を持った計画を立てることが、充実した参拝への第一歩となります。
神聖な空気に包まれた戸隠の地で、心洗われる時間をお過ごしください。
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