お酒を飲んでいる人が禁酒や節酒をすると、飲み物から摂っていたエネルギーを減らせます。そのため、飲酒量の見直しは体重管理に役立つ可能性があります。
ただし、禁酒だけで必ず痩せるわけではありません。もともとの飲酒量、食事や間食、代わりに飲む物、身体活動などによって、体重の変化は異なります。また、50代女性だから特別に禁酒のダイエット効果が高いとはいえません。
この記事では、禁酒・節酒が体重管理に役立つ範囲と、始める前に確認したい安全上の注意を整理します。
急にお酒をやめる前に相談が必要な人
毎日多く飲んでいる人や、飲酒量を自分で減らせない人は、ダイエット目的で急に禁酒する前に医療機関や地域の相談窓口へ相談してください。
身体依存がある場合、飲酒を減らしたりやめたりすると、手の震え、発汗、不眠、不安、いらいらなどの離脱症状が現れることがあります。
すでに次のような状態がある場合は、安全確保を優先します。
- 飲酒を減らすと手が震える、汗が出る、眠れないなどの症状がある
- お酒をやめたいのに、自分では飲酒量をコントロールできない
- 幻覚が現れている
- けいれんや意識状態の異常がある
幻覚がある場合は速やかに医療機関へ相談し、けいれんや意識状態の異常がある場合は119番を優先してください。保健所や精神保健福祉センターでも、アルコールに関する相談を受け付けています。
禁酒・節酒が体重管理に役立つのはどこまで?
アルコールは1g当たり約7kcalのエネルギーを持っています。お酒にはアルコール以外の成分から生じるエネルギーが含まれることもあるため、飲酒量を減らせば、飲み物から摂っていたエネルギーを減らます。
一方、体重はお酒だけで決まるものではありません。お酒をやめても、代わりに甘い飲み物や間食が増えれば、全体の摂取エネルギーがあまり変わらないこともあります。
「禁酒すれば痩せる」と決めつけず、次の項目を一緒に確認することが現実的です。
- これまで何を、どのくらい飲んでいたか
- 飲酒時に食べていた物や間食
- お酒の代わりに選ぶ飲み物
- 食事全体と日々の身体活動
- 体重や体調の変化
変化の出方には個人差があり、「何日で効果が出る」「何kg減る」と一律にはいえません。
まず現在の飲酒量を把握する
お酒の影響を考えるときは、飲料の容量だけでなく、含まれる純アルコール量を確認します。厚生労働省は、次の計算式を示しています。
純アルコール量(g)=飲酒量(ml)×アルコール度数÷100×0.8
例えば、アルコール度数5%のビール500mlに含まれ純アルコール量は20gです。ただし、この20gは「ここまでなら安全」という意味ではありません。健康への影響には性別、年齢、体質、病気などによる個人差があり、疾患によっては少量でもリスクが上がる場合があります。
商品ごとのエネルギーも種類、度数、容量、成分によって異なります。酒類ごとの固定値で判断せず、商品表示を確認しましょう。
お酒と一緒に摂る物も振り返る
体重管理では、お酒だけでなく、飲酒時の食事やつまみも確認します。飲酒に伴って食欲が増したり、脂っこいつまみを選んだりする場合があるためです。
ただし、飲酒する人が必ず食べ過ぎるわけではありません。自分の場合に、飲酒前後の食事量や間食がどう変わっているかを振り返ることが大切です。
禁酒・節酒後についても、代わりの飲み物や間食を含めて確認すると、食事全体の変化を把握しやすくなります。
寝酒は睡眠改善の方法にはならない
アルコールは一時的に寝付きをよくすることがありますが、深いノンレム睡眠を減らし、中途覚醒を増やすなど、睡眠の質を低下させる可能性があります。そのため、不眠を解消する目的での飲酒は勧められていません。
ただし、「禁酒で睡眠が改善すれば必ず痩せる」とまではいえません。睡眠への影響と減量効果を一つの因果関係として考えず、別々に確認しましょう。
50代女性だから特別な禁酒効果があるわけではない
女性は一般に男性より体内の水分量やアルコールを分解できる量が少なく、アルコールの影響が大きく現れる可能性があるとされています。一方で、実際の影響は体質、健康状態、飲酒量などによって異なります。
50代という年齢だけを理由に、禁酒の減量効果が高い、ホルモンバランスが整う、痩せやすい体質になるとはいえません。体重管理では年齢だけで判断せず、自分の飲酒状況と生活全体を確認する必要があります。
無理なく見直すための進め方
前述の相談が必要な状態に当てはまらず、自分で飲酒量を見直せる場合は、次のような方法があります。
- 飲んだ種類、量、度数を記録する
- あらかじめ飲む量を決める
- 飲酒しない日を設ける
- アルコールを含まない飲み物を選ぶ
- 食事や間食、体重の変化も一緒に記録する
記録は自分の傾向を知るためのものであり、依存症や肝疾患の診断、安全確認の代わりにはなりません。自分で減らせない場合や、離脱症状が疑われる場合は、生活上の工夫だけで解決しようとせず相談先を利用してください。
身体活動を見直す場合は、体調やこれまでの運動習慣に合わせ、可能な範囲から始めます。持病や痛みがある人は医療者へ相談し、飲酒中や飲酒後の運動は避けてください。
治療中・服薬中の人は主治医へ確認する
病気の治療中や服薬中の場合、飲酒の影響は病気や薬によって異なります。健診で肝機能などの異常を指摘されている人も、禁酒による自己流の改善だけに頼らず、飲酒の見直し方を主治医や医療機関へ確認してください。
まとめ
禁酒・節酒によって、飲酒由来の摂取エネルギーを減らすことはできます。そのため、普段お酒を飲む人にとって、飲酒量の見直しは体重管理の一つの選択肢です。
しかし、禁酒だけで減量が保証されるわけではありません。飲酒量、食事や間食、代替飲料、身体活動を含めて振り返り、自分の変化を確認することが必要です。
毎日多く飲む人、自分で飲酒量を減らせない人、飲酒を減らすと手の震えや発汗などが出る人は、急に自己判断でやめず、医療機関や地域の相談窓口へ相談してください。

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