頭痛と吐き気は、更年期に重なる時期にも起こることがあります。ただし、この2つの症状だけで「更年期が原因」と判断することはできません。
片頭痛などの一次性頭痛のほか、すぐに対応が必要な病気でも頭痛が起こるため、最初に確認したいのは原因の推測よりも症状の起こり方です。
突然の激しい頭痛や、突然のしびれ・話しにくさなどがある場合は、この記事を読み進めて様子を見るのではなく、119番へ連絡してください。
こんな症状がある場合は119番へ
次のような症状がある場合は、更年期かどうかを自分で判断せず、119番へ連絡してください。
- 突然の激しい頭痛
- 突然、片側の手足に力が入らない、またはしびれる
- 顔の片側が動きにくい、笑ったときに片側がゆがむ
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- 急に見える範囲が狭くなる、周囲が二重に見える
- 支えなしでは立てないほど急にふらつく
これらは病名を自己診断するためのチェック項目ではありません。一つでも該当する場合に、救急要請という行動につなげるための案内です。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血はいずれも脳卒中に含まれますが、血管が詰まる病気と破れる病気では起こり方や治療が異なります。症状だけで病名を区別することはできないため、突然の神経症状や激しい頭痛があるときは、病名を推測して待たないことが重要です。
脳腫瘍は脳卒中とは別の病気です。頭痛や吐き気が続く、症状が悪化する、手足や顔のしびれ、言葉や見え方の異常などが現れる場合には、早めに医療機関へ相談してください。
頭痛は更年期にみられることもある
更年期は、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた時期です。閉経の年齢には個人差があるため、50代女性全員が同じ時期に同じ症状を経験するわけではありません。
更年期にはエストロゲンが揺らぎながら低下し、頭痛が現れることがあります。また、もともと片頭痛がある人では、更年期へ移行する時期に発作が増えたり、悪化したりする場合があります。
一方で、新しく起きた頭痛や普段と違う頭痛を、更年期だけで説明することはできません。更年期との関係が気になる場合でも、別の病気が隠れていないかを含めて医療機関で相談することが必要です。
片頭痛と緊張型頭痛は特徴が異なる
片頭痛では、ズキズキする痛みや、日常の動作で痛みが強くなるといった特徴があり、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。ただし、両側が痛む場合や、脈打つような痛みではない場合もあります。
緊張型頭痛は、頭を締め付けられるような圧迫感、両側の痛み、日常動作では悪化しにくいことなどが代表的な特徴です。一般的な反復性緊張型頭痛では、吐き気や嘔吐は典型的な症状ではありません。慢性緊張型頭痛では、軽い吐き気を伴う場合があります。
これらは一般的な特徴であり、痛み方だけで読者自身が診断するための基準ではありません。頭痛の種類や原因は、症状の経過やほかの症状も含めて医療者が判断します。
高血圧は頭痛や吐き気だけでは判断できない
高血圧は自覚症状がないことが多いため、頭痛や吐き気だけで血圧が高いと判断することはできません。高血圧かどうかを知るには、実際に血圧を測る必要があります。
家庭で測った血圧は、受診時に状況を伝える材料になります。ただし、血圧の数値だけで救急車が必要かどうかを自己判断しないでください。突然の激しい頭痛や神経症状がある場合は、測定や記録よりも119番への連絡を優先します。
緊急サインがなくても早めに相談したい頭痛
119番を案内した症状に当てはまらなくても、次のような場合は医療機関へ早めに相談してください。
- 新しく起きた頭痛
- いつもの頭痛とは違うと感じる頭痛
- 痛みや吐き気が続く
- 頭痛が次第に悪化している
更年期との関係を相談したい場合でも、頭痛の起こり方によっては婦人科だけでなく、脳神経内科や脳神経外科などでの確認が必要になることがあります。
救急車を呼ぶべきか、今すぐ医療機関へ行くべきか迷う場合は、実施地域では救急安心センター「#7119」で医師・看護師・救急救命士へ相談できます。利用できる地域は消防庁の公式案内で確認してください。ただし、突然の激しい頭痛や突然の神経症状がある場合は、#7119への相談ではなく119番を優先します。
受診時に伝えられるよう症状を整理する
緊急性の高い症状がない場合は、次の内容を受診時に伝えられるようにしておくと、状況の確認に役立ちます。
- いつ症状が始まったか
- どのように痛むか
- どのくらい続いているか
- 吐き気以外にどのような症状があるか
- 普段の頭痛との違い
- 服用した薬
- 血圧を測った場合は、その記録
記録や血圧測定は診断の代わりにはなりません。緊急サインがある場合は、記録をそろえることより救急要請を優先してください。
まとめ
50代女性の頭痛と吐き気は、更年期に関係する場合もありますが、症状だけで更年期が原因とは判断できません。
突然の激しい頭痛や、突然の片側の脱力・しびれ、顔のゆがみ、話しにくさ、見え方の異常、立てないほどの急なふらつきがある場合は119番へ連絡してください。
緊急サインがなくても、新しい頭痛、普段と違う頭痛、持続する頭痛、悪化する頭痛は放置せず、早めに医療機関へ相談しましょう。

コメント