健康診断などでLDLコレステロールが200mg/dL以上だった場合は、生活習慣だけで対応しようとせず、検査結果を持って医療機関へ相談してください。
日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLコレステロール140mg/dL以上が「高LDLコレステロール血症」です。200mg/dLはこの基準を上回りますが、その数値だけで将来の病気の発症リスク、治療を始めるかどうか、管理目標を一律に判断することはできません。
この記事では、50代女性がLDLコレステロール200mg/dL以上という結果を受け取ったとき、自己判断せずに何を確認すればよいかを整理します。
LDL 200mg/dLは診断基準を上回る高値
LDLは、肝臓から全身へコレステロールを運ぶ役割を持っています。LDLコレステロールが高い状態は、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の発症リスクと関係します。
日本動脈硬化学会では、LDLコレステロールについて次の診断基準を示しています。
- 140mg/dL以上:高LDLコレステロール血症
- 120~139mg/dL:境界域高LDLコレステロール血症
したがって、LDLコレステロール200mg/dLは高LDLコレステロール血症の診断基準を上回る値です。
ただし、これは脂質異常症の診断基準です。「この値なら必ず薬を使う」「全員が同じ数値を目標にする」という意味ではありません。治療開始や管理目標は、ほかの検査結果や病歴などを含めて判断されます。
LDLの数値だけでは個人のリスクを決められない
同じ高LDLコレステロール血症でも、動脈硬化性疾患のリスクや管理目標は一人ひとり異なります。
医療機関では、LDL値だけでなく、次のような情報も総合して評価します。
- 心筋梗塞、狭心症、動脈硬化性の脳梗塞などの既往歴
- 糖尿病や慢性腎臓病などの有無
- 血圧や血糖の状態
- 喫煙の有無
- 家族の冠動脈疾患や高コレステロール血症
- 現在使用している薬
「ほかに異常がないから大丈夫」「200を超えたから重大な病気になる」と数値だけで結論を出さず、検査結果と自分の病歴を医師に伝えることが重要です。
医療機関で確認したいこと
受診するときは、今回だけでなく過去の健康診断結果もあれば持参すると、値の変化を伝えやすくなります。次の点を整理しておきましょう。
検査結果とこれまでの経過
LDLコレステロールの値に加え、ほかの脂質、血圧、血糖など、検査票に記載された結果をそのまま持参します。すでに脂質異常症の治療を受けている場合は、そのことも伝えてください。
病歴・服薬・生活状況
これまでにかかった病気、現在使用している薬、喫煙の有無などは、個人のリスクやLDL高値の背景を確認する材料になります。
高LDLコレステロール血症は、生活習慣だけが原因とは限りません。遺伝的な要因のほか、別の病気や薬が関係する場合もあるため、自己判断で原因を決めないことが大切です。
家族歴
家族に高コレステロール血症の人がいるか、若い時期に冠動脈疾患を発症した人がいるかも、医師へ伝えたい情報です。
未治療時のLDLコレステロールが180mg/dL以上であることは、家族性高コレステロール血症(FH)の診断基準の一項目です。そのため、未治療で200mg/dLだった場合はFHも確認対象になります。
ただし、LDL 200mg/dLという値だけでFHと診断されるわけではありません。家族歴や身体所見、ほかの原因の除外などを含めて医療機関で評価します。
閉経が関係する場合はあるが、原因とは決めつけない
日本動脈硬化学会のガイドラインでは、日本人女性のLDLコレステロールは50歳以後に上昇する傾向が示されています。また、閉経前後の脂質代謝の変化には、エストロゲンの低下が一つの要因として関係すると考えられています。
一方で、すべての50代女性が同じように変化するわけではありません。LDLコレステロール200mg/dLという結果についても、「50代だから」「閉経したから」と原因を一つに決めることはできません。
閉経前後の変化が気になる場合も、検査結果やほかの健康状態と合わせて医師に相談しましょう。
生活習慣の見直しは受診後の管理の一部
食事、運動、禁煙などの生活習慣は、脂質異常症の管理で大切な要素です。ただし、LDL 200mg/dLという結果を受けたときに、受診せず生活改善だけで様子を見ることは避けてください。
食事
食事では、肉の脂身、動物脂、バターや生クリームなど、飽和脂肪酸の多い食品を摂り過ぎていないか見直します。そのうえで、魚、大豆、野菜、海藻、きのこなどを組み合わせた食事を検討します。
特定の食品だけでLDLコレステロールを下げようとせず、医師や管理栄養士などから個別の指導がある場合は、その内容に沿って進めます。
運動
運動は有酸素運動を中心に、体力や健康状態に合わせて無理なく続けることが基本です。
心血管疾患や骨・関節の病気がある人、体力に不安がある人は、急に運動を始めず、運動してよいか医療者へ相談してください。運動だけでLDL 200mg/dLに対応できるわけではありません。
喫煙
喫煙は動脈硬化性疾患の危険因子です。喫煙している場合は、禁煙について医療者へ相談することも検討しましょう。受動喫煙を避けることも大切です。
まとめ|検査結果を持って医療機関へ相談する
LDLコレステロール200mg/dLは、日本動脈硬化学会の高LDLコレステロール血症の診断基準を上回る値です。ただし、この数値だけで病気の発症リスク、治療開始、管理目標を一律に決めることはできません。
検査結果を持って医療機関へ相談し、病歴、血圧や血糖、喫煙、家族歴、服薬、家族性高コレステロール血症やほかの原因の可能性を含めて確認しましょう。
50代女性では閉経前後の変化が関係する場合もありますが、閉経だけを原因と決めつけないことも重要です。生活習慣の見直しは、受診の代わりではなく、医療者と相談しながら進める管理の一部として考えてください。

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